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伊坂幸太郎 「ゴールデンスランバー」 を読んで

伊坂幸太郎 ゴールデンスランバー

Pen : Pilot - Custom Heritage 912 (WA nib)
Ink : Herbin - Vert Reseda

「いいか、これがおまえたちの仕事だということは認める。仕事というものはそういうものだ。ただな、自分の仕事が他人の人生を台無しにするかもしれねえんだったら、覚悟はいるんだよ。バスの運転手も、ビルの設計仕も、料理人も、みんな最善の注意を払ってやってんだよ。なぜなら、他人の人生を背負っているからだ。覚悟を持てよ」

伊坂幸太郎 : ゴールデンスランバー
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社会人になってから40代後半まで、歴史小説は別として、私は小説というものをほとんど読んだことがありませんでした。

そんな私が伊坂幸太郎さんの本を読むようになったきっかけは、同じ課におられた女性社員との会話からでした。その人は読書が趣味だったので、「好きな作家は誰?」 と聞いたところ、「そうですねぇ、最近は伊坂幸太郎かな。面白いですよ」 という回答。もちろん、当時は伊坂幸太郎なんて名前も聞いたことがありませんでしたが、「これも何かの(作家との)ご縁かも」 と思って読み始め、今に至っています。

そんな伊坂さんの 「ゴールデンスランバー」 は、“ミステリー”というよりは、ハリウッド映画っぽいサスペンス調の仕上がり。映画化されたのも頷けます。読み始めたら止まらず、休日を使って一気に読破してしまいました。
ゴールデンスランバー

ケネディ大統領暗殺事件におけるオズワルド被告さながらに、総理大臣の暗殺犯として疑われた主人公が逃走を続けるストーリーです。

冒頭の言葉は、「犯罪者の親」 としてマスコミに囲まれた主人公の父親が、マスコミの圧力に抗議して叫ぶシーンで出てきたもの。伊坂さんの小説に臨場感が溢れるのは、こうしたディテールをしっかり描きこむところにありますね。これはいい言葉だなあ、と思いました。

前稿でも記しましたが、仕事というものは何らかの形で 「世間の役に立つ」 ということで成り立っています。ということは、仕事を通じて他人の人生に何らかの影響を及ぼしているということに他なりません。

例えば、どしゃぶりの雨の中でも、たったひとつの小箱を嫌な顔ひとつせず持ってきてくださるヤマト宅急便のドライバーさん。今、長時間労働で問題になっているくらいですから、本当に大変なお仕事だと思うのです。

ヤマト宅急便

それでも不機嫌な顔をされたヤマトの方って見たことがありません。いつも明るく元気よく。そんな姿を見ると、「すごいなあ」 と尊敬してしまうと同時に、つまらぬことでストレスを抱えている自分が恥ずかしく思えてしまいます。

自分が今もブチ切れることなく会社を辞めずに働いておれるのは、もしかすると深層心理に焼き付いているヤマトの皆さんのおかげかもしれません。

そうしてわが身を振り返ってみると、「自分の仕事が他人の人生を台無しにするかもしれない」 なんていう覚悟が全然できていないなあ、思うのです。

他人様の仕事ぶりを見て自分がパワーをもらっているのであれば、自分も同じように仕事を通じて他人様にパワーを返してあげないと。「50を越えたオッサンがこんなにがんばっているのなら、俺も負けられないぞ!」 なんて若手に感じてもらえるくらい熱くやってみて、ようやく少しだけ社会へ恩返しできるといったところでしょうか。

有名とか無名とか、そんなことは全く関係なく、プロフェッショナルであるか否かの差は、この 「覚悟」 にあるのかもしれません。

伊坂さんの小説を通じて、一歩だけ前に進めた、、、かな?


P.S.  今回使用したインクはエルバンのモクセイソウグリーンです。
モクセイソウ グリーン

この色、癒されるんですよね~
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コメント

非公開コメント

随分遅れてですが、

ご訪問いただきありがとうございました。

 さて、この記事を拝見して、自分勝手とは思いますが、少し書いてみたいと思います。いきなり長い文章を書くご無礼をお許し下さい。すいません。発達障害なんで、結構いきなりという行動が多いので。

 仕事って、第一に自分ためであり、次に家族のためでもあり、あと世間のため(社会の中で生きていく)でもありと、私になり割り切って、取り組んできたつもりでした。

 確かにある種の覚悟をもっているかと問われれば、う~んと唸ってしまって、割り切りと言い逃れしながら、自分で責任を全うする意識があるつもりが、なかったかな?と反省というか、考えさせられてます。

 自分らしく生きて手抜きせずに真面目に働くこと、そう心に決めることが覚悟なんではないかと考えさせられました。同時に、責任を果たすことから逃げないことが覚悟なのかと思います。
 
 ただ、私の場合は、ADHDでどうしても周りに理解と協力を得ないと仕事ができないので、全て自分一人で抱え込まず、自分でできないことをはっきりと伝えることも、自分の障害に対する責任であるとも思っています。

 だから、RINZENさんは、ムリせずに自分らしくあればいいのではないでしょうか。仕事への情熱はなくさないで、がんばっていかれれば、覚悟も生まれてくるだろうし、きっとそういう内面にあるのものは、周りに伝わると思いますので、余計な意見かもしれませんが、同年代の一個人の意見として、お聞きいただければと思います。



Re: 随分遅れてですが、

こりんずさんへ

コメントありがとうございます。

「自分らしく生きて手抜きせずに真面目に働くこと、そう心に決めることが覚悟なんではないか」

「責任を果たすことから逃げないことが覚悟」

いずれも美しいお言葉ですね。

私自身、偉そうなことを書いているのですが、実のところは、心が折れそうになることもしばしば。

社外のことで無理難題が降りかかってくるのはしかたがないとして、社内のことで大きな矛盾をかんじるときはグッタリきます。

そんなときは、いただいた言葉を旨に、基本に立ち返り元気をふりしぼるようにしたいと思います。
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