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アイドル好きな総理大臣がいてもいいじゃないか

ファラ フォーセット
*全世界で1,200万枚を売上げた、ファラ・フォーセット伝説のポスター

石破 茂  アイドル論

Pen : LAMY Safari (M)
Ink : Sailor Miruai

今でもたまに同世代の議員仲間とカラオケに繰り出すと、与野党関係なく、六十歳近いオジサンたちが思い出のアイドルの歌を熱唱する。私たちのアイドルは、今でも心の中で、まぶしい光を放っている。今の若い人たちが、二十年後、三十年後、同じような思いになるのだろうか。大きなお世話だろうが、彼らが少しかわいそうな気もするのである。

石破 茂 : キャンディーズでアイドルは終わった 
(文芸春秋 15年8月号)
====================

私、本当に恥ずかしながら、政治の話は昔から苦手です。

新入社員の頃、酒席でオジサンたちが政治の話で盛り上がっているのを見て、「俺も歳をとれば、政治に興味を持つのかな」 と思っていましたが、50歳を目前にして、全然そうなる気配すらありません。たぶん死ぬまで興味は持てないでしょう。

そんな政治音痴の私でもニュースによく登場する石破さん (現地方創生担当 内閣府特命担当大臣) のことは知っていました。優等生ぶった発言が多くて、正直なところ、あまり良い印象はありませんでした。

そんな折、文芸春秋をパラパラとながめていたら、「キャンディーズでアイドルは終わった」 という記事が目に止まったのです。横に 「石破 茂」 とあります。「えっ、あの真面目一徹そうな石破さんが、アイドルの話を書くの?」 と驚きました。

この記事で、石破さんは、独自のアイドル論を展開します。

― “アイドル” とは、その存在そのものが男の子たちから愛されるものである
― 日本における最初のアイドルは南 沙織である
― キャンディーズが解散した78年が、アイドル文化の頂点であった
― ところが、ピンクレディー以降は、現在のAKB48に至るまで、全ては ”商品としてのアイドル” になってしまい、”真のアイドル” は消滅してしまった

冒頭の文章は、石破さんの記事の結びの箇所です。

「今の若い人たちが、二十年後、三十年後、同じような思いになるのだろうか。大きなお世話だろうが、彼らが少しかわいそうな気もするのである」 というのは、裏返すと、“商品としてのアイドル”ではない、“真のアイドル”を愛すことができた自分の少年期は幸せであった、ということを意味しています。 

私にとってのアイドルって誰だったであろうと振り返ってみると、テレビドラマの 「チャーリーズ・エンジェル」 でブレークしたファラ・フォーセット (冒頭の写真は)、もしくは同じくテレビドラマ 「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」 で主演したリンゼイ・ワグナーでした。
リンゼイ ワグナー

当時は、この世にこれほど美しい女性が存在するということが信じられませんでした。

ファラやリンゼイの人気が沸騰したのは、1977~78年です。私が小学校6年生~中学1年生の頃でした。キャンディーズ解散が1978年4月4日ですから、まさに同時期だったんですね。

今回、久々に、ファラやリンゼイの写真を見てみましたが、やっぱり輝いているものを感じます。

1980年代に入り、私も高校生になりました。その頃、友人たちは 「聖子ちゃーん!」 とか 「今日子ちゃーん!」 とか 「明菜―っ!」 とか叫んでおりましたが、依然として私は日本のアイドルに興味が持てませんでした。その頃は、同じ外国人女性でも、好みがアメリカ系からヨーロッパ系に移りまして、ジャクリーン・ビセットが私のアイドルでした。
ジャクリーン ビセット

高校の数学の授業で 「コサイン、タンジェント」 やら 「シグマ、インテグラル」 やら理解不能な世界に突入し、完全に落ちこぼれとなった私を慰めてくれたのは、下敷きにはさんでいたジャクリーン・ビセットの写真でした。椅子で眠ることができない私は、授業中、ひたすらジャクリーンの写真を眺めていたことを覚えています。

私は子供の頃から、「海外と係わる仕事をしてみたい」 と強く思っていて、実際にそういう仕事に携わるようになりましたが、思い起こして見ると、その動機は金髪アイドルへの憧れからだったんですね。まさに、彼女たちが私の人生を変えたと言えます。

そう思うと、石破大臣が記したように、「 “真のアイドル” を愛すことができた自分の少年期は今思えば幸せであった」 と思うのです。ファラもリンゼイもジャクリーンも、遠い世界の人でしたが、私にとって彼女たちは 「商品のアイドル」 ではなく、「真のアイドル」 でした。

さて、アイドル論の内容はさておき、将来の首相候補と目される石破大臣が、正々堂々とアイドル論を展開するその姿勢に、私は共感を覚えました。

真面目に国政について語る姿はお仕事ですから当然のこと。しかし、それだけでは人はついていけません。

人望を集めるには、何か愛すべき側面が必要です。「愛すべき側面」 って具体的に言うとどういうことを意味するのかと考えてみると、それは 「この人、アホやな~」 と笑える一面を持つということではないでしょうか。どんなに仕事で優秀であっても、スキが無い人は人間としての魅力に欠けますよね。

クソ真面目にテレビでコメントする石破さん。「カラオケでアイドルの歌を熱唱する」 という石破さん。どちらも同じ石破さんですが、このギャップを知って、私は石破さんに深い親しみを覚えました。いつの日か総理大臣になってほしいと思います。

もし総理大臣になられたら、アメリカ大統領に堂々と「日本のアイドル論」をぶちまげてほしいです。きっとアメリカ大統領も、「こいつは本物だ」 と石破さんの人間力を認めてくれるでしょう。


追記 : 今の私にとって、アイドルは 「妻 (*日本人です)」 ということにしておきます。妻がこのページを目にすることがあるかもしれないので。。。
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