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まっとうなイタリアンを見定める

まっとうなイタリアンを見定める

ペリカン - M400 トータスシェル/ホワイト 細字 : ペン
ペリカン - ブラウン : インク

パスタというのは、めん類の総称です。
そして、パスタと切っても切れない関係にあるのが母親の存在です。大げさにいうなら、イタリアの母親家長的な雰囲気に密接しているのがパスタなのです。

ソフィア・ローレン : キッチンより愛をこめて
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“イタリアを代表する女優”といえば、ソフィア・ローレン ( 1934年生 ) をおいて他にいないでしょう。
ソフィア ローレン

個性的な顔立ちで、決して典型的な美人とは言えませんが、印象に残る女優さんだと思います。

大女優のソフィア・ローレンは料理上手だったようで、その彼女が書いた料理本が、「キッチンより愛をこめて (IN CUCINA CON AMOR) 」です。日本版の初版が1974年。私が持っているのは1977年の第六刷です。
キッチンより愛をこめて

この本には、それぞれの料理に対するソフィア・ローレンの思い出や彼女のオリジナルの工夫などのコメントがそえられており、読み物として面白い内容になっています。私は中学生のときにこの本を手にし、それ以来、この本のレシピでいろいろなイタリア料理を作ってきました。料理を作る楽しさを教えてくれた本のひとつです。

本書が出版された1974年は、イタリア料理が日本の家庭に浸透する前でした。次のような訳語でそれがわかります。

ボンゴレ => 本書 「アサリ入りスパゲティ」

カルボナーラ => 本書 「ベーコンと卵のスパゲッティ」

ミネストローネ => 本書 「野菜入りスープ」 

トーストしたパンに、トマトの切り身をのせて食べるブルスケッタ (Bruschetta) は、今やどこのイタリア料理店でも見ることができます。
ブルスケッタ

本書でこの料理の訳語は 「パンのオリーブ油焼き」 となっています。

レシピは 「パンを焼き、半分にスライスしたニンニクの断面をパンにこすりつけ、少量のオリーブオイルをパンにかけて、塩をふって食べる」 となっており、トマトは出てきません。

もしかすると、トマトをのせて食べるレシピは、イタリア本国でも1970年代以降に広まったものなのかもしれませんね。

さて、本書でソフィア・ローレンは、「パスタというのは、めん類の総称です」 と述べていますが、実はイタリア語で“パスタ”とは“ねり物”のことです。歯磨き粉も“パスタ”ですし、パンを焼く前の、タネがドロドロした状態も“パスタ”です。

いつ頃からでしょうか。日本では“スパゲティ”のことを “パスタ” と呼ぶようになってしまいました。テレビに出てくるイタリア料理店の有名シェフも、普通にスパゲティのことをパスタと言っています。今や、スパゲティという言葉を使うと、少しダサいようなイメージすらありますね。

しかし、これはトンデモナイ誤解です。パスタには数多くの種類があり、スパゲティはパスタの一種にすぎません。

したがって、海外のレストランで 「パスタをお願いします」 なんてオーダーしたら、「どのパスタですか?」と逆に聞き返されてしまいます。

2020年には東京オリンピックもあるわけですから、パスタ=スパゲティ、という変な和製イタリア語は修正してほしいものです。

もうひとつ、これもよくわからないのが、日本のイタリアンレストランでスパゲティを食べる際、スプーンの上でくるくる巻いて食べる人が多いことです。もはや、日本ではスパゲティを食べる際、これが正式なマナーに化してしまった感すらあります。
スパゲティのクルクル巻き

このようなスタイルは、左手に持ったフォークの背にライスを乗せて食べるスタイルほどではありませんが、
フォークの背にライス
本国イタリアはもちろん、他の欧米諸国で私はほとんど見たことがありません。アメリカで何度か目撃したかぎりです。

いつからこの奇妙なスタイルが日本で一般的になったのでしょうね? そのうち、厚切りジェイソンのネタにされてしまうかもしれません。

さて、前置きが長くなりましたが、表題の 「まっとうなイタリアンを見定める」 の話に戻ります。

イタリアンはフレンチより料理の工程がシンプルであり、各工程で求められる技術の難易度はフレンチより低いため、アマチュアでもレシピどおりに作ればプロと大差ない味に作れる料理が多いです。それに対してフレンチは、レストランと同レベルの味を家庭で再現するのは容易でありません。

したがって、西洋料理で比べる場合、イタリアンはフレンチに比べて、美味しい料理を出すレストランと、まずい料理を出すレストランの実力差が反映されにくいと言えます。

それでも、せっかくプロの料理を食べるならば、美味しいレストランに行きたいものです。ではどうやってイタリア料理店の実力を見極めればよいのでしょうか。

私は、初めて行くイタリア料理店では、必ずある品を注文するようにしています。

それはニョッキかラビオリです。

この二品は、店による実力差が如実に出てしまいます。

ニョッキはジャガイモと小麦粉で作るパスタです。
ニョッキ

美味しいニョッキは溶けるように柔らかい口当たりになります。私は自分でニョッキを作ったことが何度かあるのでわかるのですが、このような口当たりのニョッキを作るのは難しい。口あたりの良さを優先すると形が崩れてしまうからです。

逆に形を整えようとすると、今度は硬くなりすぎて、「すいとん」のようになってしまいます。
すいとん

美味しいニョッキを作れる店は確かな技術を持っていると言えます。こうした店は、技術レベルが高いので、他の何を食べても美味しいと考えて、まず間違いはありません。

残念ながら、日本ではニョッキを注文する人はまだ少数派です。食べたことが無い方も多いと思います。

たしかに、ニョッキを注文すると、“極上”に出会える確率は低くて、多くの場合は“すいとん”ですから、ハイリスクなオーダーなのです。本国イタリアでも“すいとん”のようなニョッキを出すレストランは数多くあります。しかし、美味しいニョッキに出会えたら、「すばらしいイタリア料理店を見つけた」 ということがわかりますから、試してみる価値はあります。

ラビオリについては詳細は省きますが、ニョッキ同様、美味しく作るのは簡単ではありません。美味しいラビオリは、、皮と、中の具と、ソースが三位一体となったハーモニーを奏でます。

こうしたことから、腕に自信のあるイタリア料理店は、“店の看板メニュー”、もしくは “今日のおすすめメニュー” にニョッキかラビオリを入れている確率が高いです。なぜなら、スパゲティでは他の店との差をお客さんに感じてもらいにくいので、その差を見せつける料理をお客さんに食べて欲しいと考えるのが普通だからです。

逆に、「当店の自慢はスパゲティです」 と言うイタリア料理店に対して、私は 「?」 と思ってしまいます (*自家製の生スパゲティの場合は除きます)。

スパゲティだけでは満足しない、舌の肥えた客が増えれば、日本のイタリアンはさらに進化するはずです。日本でも、美味しいニョッキとラビオリを食べさせてくれる店が増えるよう、祈っています。
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