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大人こそ児童書を読んでみよう

ふかふかウサギ

パイロット - カスタム・カエデ (細字) : ペン
エルバン - ローズ・レッド : インク

ふかふかウサギは、しょんぼりして、星見窓にこしをおろすと、またひとつぶ、涙をおとして、耳をふった。
「ぼくが、どんなに星を愛してるかってことが、きみたちにはわからないんだ」
 そのようすが、あまりに悲しそうにしおれたようすだったので、クニとタキにも、ふかふかウサギの悲しい気もちが、だんだん伝わってきた。
ふたりは窓のほうへ目をうつして、よく晴れている冬の青空や、風に枝をゆすっている庭の木々をながめた。
窓のむこうのあかるい冬の太陽のきらめきも、庭の枯木の枝が白銀いろに光るようすも、何もかもがうつくしくて、じっとながめていると、そこらいっぱいにたのしい音楽が鳴りひびいているような気がしてきた。そして、ふたりには、夜空のウサギ座の星を見て、フルートを心の中で吹くウサギの気持ちがなんとなくわかるような気がしてきた。
うさぎ座

香山 彬子 : ふかふかウサギ
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私が子供の頃、繰り返し読んだ思い出の本、それが「ふかふかウサギ」です。
ふかふかウサギ

この本は娘に自分の思い出の本を読ませたいと思って購入して、本棚に眠ったままになっていました。それを休日、取り出して読んでみて、忘れていたストーリーを思い出した次第です。

この物語はウサギのトントンが主人公です。トントンは人間と会話ができて、天文に詳しく、音楽を愛するウサギです。「ウサギが人間と会話?」 と思ってしまいますが、ムーミンのような話と思えばイメージしやすいと思います。

上述のシーンは、小学4年生の女の子であるクニ、その弟で二年生のタキが、星に関する夢を語るトントンに対して、冷めたコメントで返答したため、トントンが悲しむところです。

大人になってこの本を読み返してみて、あらためて名作だと思いました。大人の私が読んでも楽しめます。この本は娘に繰り返し読んでもらいたいです。

「窓のむこうのあかるい冬の太陽のきらめきも、庭の枯木の枝が白銀いろに光るようすも、何もかもがうつくしくて、じっとながめていると、そこらいっぱいにたのしい音楽が鳴りひびいているような気がしてきた」 という箇所を御覧ください。なんと詩的な表現でしょうか。

春の桜や秋の紅葉をみて美しいと感じることは、誰でもできることです。

一方、冬の枯木を見て、そこに美しさを見い出すためにはセンスが必要です。

こうしたセンスは、たとえ持っていなくても、生きていくに際して困ることは何もありません。しかし、持っていると心が豊かになります。心が豊かになると人生が楽しくなります。

日本が豊かになった今、多くの家庭が子育てにおいて 「心の豊かな子になってほしい」 という願いを持っておられるように感じます。学習塾とは別に、ピアノやバイオリンをはじめとした習い事を子供にさせるケースが多いのはその影響でしょう。しかし、そうした習い事をさせれば 「心の豊かな子」 に育つのでしょうか。

たしかに、習い事をさせないより、させた方が「心の豊かな子」になれる確率は高まりそうです。それでも、習い事は決定打にはならないと思うのです。実際、私はこれまで 「ピアノの技術はあるけれど、心の貧しい人」 というのを何人も見てきましたから。

やはり、基本となるのは、「心が豊かとはどういうことか」 ということを親が理解することではないでしょうか。親がその点を理解していれば、例えば冬の枯木をみて、子供に 「あの木を見てごらん。キラキラしていてきれいだね」 と語りかけることができます。
冬の枯木

そのようにして愛情をもって語りかける数々の経験の積み重ねが、「心の豊かな子」 につながるのではないかと思うのです。

私はこれまで児童書なんて見向きもしませんでしたが、“ふかふかウサギ” にかぎらず、よい児童書には 「心の豊かさ」 を思い起こさせてくれるものがありそうです。子供といっしょに本を読み、その本のステキなところを語り合う。趣味の万年筆ばかりいじっていないで、そんなお父さんになっていかねばならないな、とちょっぴり反省しました。
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