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開高 健とシングルモルト

開高 健  シングルモルト
LAMY    : サファリ (M)
パイロット : 色彩雫 (竹林)

開高 健 : 知的な痴的な教養講座
第18章 シングルモルト・ウイスキー

スコッチとコニャックはうんざりするくらい飲んだので、十年前からほとんど口にしなくなっていた。卒業した、ワカッタと思っていた。
ところが、この夏、スコットランドでマッカランというシングル・モルトを出され、
「これ、飲んでみ」
といわれて飲み、興奮してしまった。
ストレートなのにブレンドのような味がする。極めて巧妙なバランスがとれている。そして、自然である。香りがまろやかである。舌ざわりは、まるでワインのようである。まことに日本人好みがするといえばそれまでかもしれないが、すくなくとも、酒と女でちびたわたしの丸い鼻にはピタッときた。わたしは興奮したナ。
====================

開高 健さんの作品が最初に世に知られたのは、1950年代、サントリー宣伝部で勤務していた頃に出したトリスウイスキーの宣伝コピーです。

++++++++++++++++++++
「人間」らしくやりたいナ
トリスを飲んで「人間」らしくやりたいナ
「人間」なんだからナ
++++++++++++++++++++

これは私の生まれる前の話なので、私が当時のことを知る由もないのですが、なぜか子供の頃の記憶に残っているのです。あまりに大ヒットしたコピー故、1970年代になっても、町のどこかに宣伝のポスターとかが残っていたのかもしれません。

ネットで検索したら、開高さんが残したこのコピーの色紙がありました。この文豪の文字はなかなか興味深いものがあります。
開高 健  トリスウイスキー

さて、酒好きの開高さんはいろいろな酒を嗜まれましたが、なかでもウイスキーを一番飲まれたのではないでしょうか。

その開高さんが、マッカランを初めて飲んで「興奮してしまった」と述べておられます。

「あれだけウイスキー好きの開高さんが、マッカランを飲んだことが無かったの?」 と私は逆にびっくりしてしまいました。しかし、インターネットの無い1980年代、シングルモルトは一部のマニアを除き、一般には誰も知らない世界のモノだったのでしょう。

開高さんは1989年に59歳で急死されますが、上記の文はおそらく死の1~2年前に書かれたものです。

ということは、開高さんはマッカラン以外のシングルモルトを知らずして、あの世へ旅立たれてしまったのでしょうか? 私は気になって少し調べて見ました。

すると、どうやらボウモアは飲まれたようです。しかし、私の好きな、強烈な個性を放つ ”ラガブーリン” は、結局、飲む機会は無かったようなのです。

それでは、「もし、開高さんがラガブーリンを生前飲んでおられたら、究極のシングルモルトとして開高さんが選ぶのは、”マッカラン” か ”ラガブーリン” か?」 と考えてみたいと思います

この二種を比べると、まろやかで芳醇なマッカランが女性的というならば、荒削りで個性丸出しのラガブーリンは男性的です。

それを飲むのに相応しいロケーションを考えると、マッカランはイギリス風邸宅の暖炉の前でじっくり楽しむイメージ。これに対して、ラガブーリンは山でキャンプして焚き火の前でワイルドに楽しむイメージ。

ベトナムの戦場で九死に一生を得、世界各地で魚釣りをして楽しんだ開高さんの豪放磊落なイメージからすると、私はマッカランよりもラガブーリンが合うと思っていました。

しかし実際にはどうなのでしょう? 外見から受けるイメージとのギャップが激しい、上述の文豪のかわいらしい文字をみると、開高さんはマッカラン派だったかもしれないなあ、とも思うのです。

人の風貌なんかよりも、書き残した文字やウィスキーの好みなんていうところに、一貫したその人のこだわりが現れるような気がしてなりません。
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