スーパーモデル、ジゼルの持つ天命

ジゼル ブンチェン3

2014年4月16日、次の報道がなされました。

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< スーパーモデル長者番付1位のジゼル ランウェイ引退>

スーパーモデルのジゼル・ブンチェン(34)が15日、出身地のブラジル・サンパウロで行われたファッションショーで最後のランウェイを歩いた。
 ジゼルは14歳でモデルの世界に入り、米誌フォーブスが発表したスーパーモデルの長者番付で、14年には4700万ドル(約56億円)となり8年連続トップに輝いた。シャネルなどの有名ブランドの広告塔を務めているほか、ビーチサンダルや下着のデザインも手掛けている。
 また、私生活でも俳優のレオナルド・ディカプリオ(40)と交際していたことでも有名になったが、05年に破局。その後09年にNFLペイトリオッツのスター選手のQBトム・ブレイディ(37)と結婚、2児をもうけている。  (中略)
 ジゼルは、ランウェイからは引退するが、雑誌や広告などのモデル活動は続けるという。

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世界のスーパーモデルの中でも、ジゼルは飛び抜けた存在です。どれくらい飛びぬけているかというと、昨年は次のとおり、世界2位との収入格差がおよそ8倍というすごさです。

(フォーブス誌による 「2014年 もっとも稼いだモデルランキング」)
1位  ジゼル・ブンチェン/4700万ドル(約48億円)
2位  ドウツェン・クロース/800万ドル(約8億円)
2位  アドリアナ・リマ/800万ドル(約8億円)


広告を中心にしたモデルという職業では、ルックスの差が勝負を分けます。この点で、歌手や女優のようにルックス以外の面、歌や演技などで差を産み出して、大衆に魅力を訴えることができる職業とは異なります。  

ジゼルの場合、モデル業界においてこれほど圧倒的な強さを持っているわけですから、論理的に考えればルックスでも他を寄せ付けない美しさを持っているはずです。

しかし、正直なところ、私はジゼルのルックスが、他のモデルと比べて、そこまで飛びぬけているとは思えないのです。

ジゼルの血筋はドイツ系。彼女の顔を見ていると、私はどうしてもあるドイツ女性を連想してしまいます。

その人の名は、史上最強の女子テニスプレイヤー、シュテフィ・グラフ。
シュティフィ グラフ1

シュティフィ グラフ2

ジゼルのファンには 「何いってんの!」 とお叱りをうけそうですが、もしメイクを落として素顔で両者を比べれば、ジゼルとグラフの顔だちは似ていると思います。 こちら↓がジゼルです。

ジゼル ブンチェン1

ジゼル ブンチェン2

私は一度、現役時代のグラフに遭遇したことがあります。成田空港の第一ターミナル、荷物検査前で順番を待っていたら、私の次に並んだ人がグラフでした。

「うわ、デカい!」と思いました。これまたグラフに申し訳ないのですが、全然、美人とは思えませんでした。

そのグラフが身長175cm。ジゼルは180cmですから、ジゼルを生で見たら、どれだけデカく感じることでしょう。

ジゼルとグラフの比較はともかく、人間が考える、「最も美しい顔」 には黄金比があることが明らかになっています、例えば1990年代のスーパーモデルだったシンディ・クロフォードはこの黄金比に近い顔立ちです。
シンディクロフォード2

シンディクロフォード1

ジゼルの場合、この典型値からはかなり離れたバランスになっています。

それなのに、なぜジゼルが独り勝ちするのか。。。 

私の到達した結論は、その時代に流れている人間には見えない何らかのエネルギーが、ジゼルにオーラを授け頂点に押し上げ、ということになります。こういうのを天命というのだと思います。

だからこそ、ジゼルが登場する宣伝をみた人々は、輝きを感じ、その商品が売れてゆく、というサイクルになるのでしょう。

世の中は理不尽に満ち溢れています。理不尽が世に生じてしまう原因は、ジゼルの例であげたような、時代に流れる大いなるエネルギーにあると私は考えています。

我々が他者に嫉妬を感じる時、それは突き詰めれば 「理不尽」 にあるはず。ジゼルも、多くのモデル仲間から 「なんであの子が? 私の方がキレイなのに!」 と数えきれないほどの嫉妬を受けてきたことでしょう。

嫉妬というものは、持っていても何のプラスにはなりませんよね。ストレスの原因になるだけですから。

- 恋愛がうまくいっている人に対しての嫉妬
- 仕事がうまくいっている人に対しての嫉妬
- 突然の幸運が巡ってきた人に対しての嫉妬

いろいろありますが、他人に対して嫉妬心がムクムクと持ち上がってきたら、私はジゼルのことを思い出して、「天があなたに微笑んでくれたんだね。おめでとう」 と考えるようにしています。とはいえ、嫉妬心をゼロにするのは難しいものです。天命に恵まれた人に対して、心から 「おめでとう」 と思える日が来るまで、精神修行を続けなければならないと自分に言い聞かせています。

自分の努力だけではどうにもならないことがあります。天命の前に、人間の力は無力。そのことを悟りながら、それでも一歩づつ努力を続けてゆくことに、人間の尊さがあるのでしょうね。

男のファッションの究極は紺

開高 健  男は紺
一位の木 (F)  : パイロット
海松藍     : セーラー


開高 健 : 知的な痴的な教養講座
第36章  究極のスーツは紺色

ロンドンで、初めてわたしは男のファッションというものに目がさめた。五七歳にしてやっと、男のファッションに目がいくようになった。
もともとわたしは、ファッションにあまり興味はなかったんだ。おまけに職業が小説家である。昔なら着流しのゾロッペェですませられた。(中略)
かくて、ロンドン紳士の服装をジロジロと見て歩くうちに判明したのは、やっぱり色は紺であるということだ。(中略)
紺に始まって紺に終わる - というのがファッション道のフナ釣りみたいなものらしいと、うなずけた。今後もうなずき続けるだろう。諸君、男のファッションの究極は、紺なんだ。いい紺を選びたまえ。
====================

ファッションの大家、ジョルジオ・アルマーニがネイビーのTシャツを愛してやまない、ということを前々回にお伝えしました。

これと同様に、文豪、開高 健も 「紺に始まって紺に終わる、というのが男のファッションの究極」 と述べています。

ここで開高先生が述べられている 「紺」 はネイビーのことでしょう。

ハンサムとはとてもいえない開高先生。けれども、「紺が男のファッションの究極」 という先生の言葉は、ジョルジオ・アルマーニの言葉と同じくらい、私には強く響くものがあります。なぜなら、開高先生の顔には味があるから。自分もこういう、深みのある顔になれたらいいな、と思っています。

ところで、開高先生が 「男は紺」 と悟られたのは、書いてあるとおり、57歳の時です。先生は58歳に亡くなられていますから、死の前年に悟られたということになります。

だからでしょうか。開高先生のスーツ姿の写真というのは、探してみましたが、あまり無いんですよね。

そんな中でようやく見つけたのがコレです。
開高 健のスーツ姿

なんだか、大企業の重役みたいに貫禄がありますね。釣りバカ、のときの表情とは全然違います。

手にされているのは、おそらくウイスキー。それも色合いからすると、ストレートでしょう。開高先生にはストレートが似合います。断じて、氷を入れた水割りではありません。

で、問題は、この写真が撮られたのは57歳以前なのか以後なのか、ということなんです。私は57歳以後 - すなわち 「男は紺」 と悟られた後のものだと思います。なぜなら、「男は紺」 という確信を持てていない頃の開高先生だったら、スーツを着たとき、このように自信に満ち溢れた表情にはならないだろうと考えるからです。

開高先生は、58歳の時に食道癌を発症し、手術後、ほどなくして命を落とされます。

ということは、この写真が撮られたのは、「男は紺」と悟られてから、食道癌が発症するまでの、本当に短い時期だったと思われます。文豪の人生を見るうえで、貴重なショットと言えるでしょう。

さて、私の場合、スーツは年月を経て、無地のネイビーとダークグレーの二種類だけになりました。この二種類のスーツ以上にカッコいいスーツは無い、という結論に到ったからです

しかし、これからはジョルジオ・アルマーニと開高先生の言葉にならい、スーツ以外の服もネイビーを中心に絞っていこうと思っています。

シンプルに。そして美しく。

衣、食、住、そして仕事や時間の使い方も、そのコンセプトで進みたいものです。

画用紙でペントレイを作ってみました

自家製 ペントレイ 3

自分も含め、多くの人は年齢とともに、あらゆる欲がだんだん薄れていきますね。棺桶の中に持ち込めるのは身一つですから (以前、購入したゴッホやルノアールの作品を、「棺桶に入れる」 と言ったアホな日本人もいましたが)、それが健全な流れだと思います。

しかし、ここ2年ほど、「書く楽しみ」 に目覚めてしまった私の、ペンに対する物欲は留まるところを知らず、、、 収納する場所も満足にとれないままになっておりました。

せっかく買ったお気に入りのペン、眺めて楽しみたいので、文房具屋さんで高級ペンの陳列に使われるようなペントレイが欲しいと思いましたが、お値段も高い。 ただでさえ、ペンをポコポコ買って、妻や娘から冷たい視線を浴びているなか、ペントレイまで買うわけにもいかないため、画用紙で自作することにしました。

そして完成したのがこちらの作品です。
自家製 ペントレイ 1

自家製 ペントレイ 2

簡単なものですが、小学生の頃、図画工作の時間が苦手だった私はけっこう手こずりました。

この画用紙ペントレイにペンを並べてみたのが冒頭の写真です。

もともと、来客用のかわいいお皿を置いていたスペースなのですが、妻に睨まれながらも皿を強制撤去してペン置きに変更しました。

アップで見るとこんなかんじです。文具店のオーナーの気分になって、ひとりニヤニヤながめております。
自家製 ペントレイ 4

これだけペンを置くスペースがあっても、まだ置ききれないペンがたくさんありました。なんかもう、一生かけても使い倒せないくらいの数になっちゃいましたね。。。

それにしても、小学生の時以来、何十年ぶりかでトライした工作の作業は、良い経験になりました。

簡単な紙工作ですけれど、なかなか自分の思い通りのものができず、試行錯誤を積み重ねました。こうしてできあがったモノには、やはり、自分の 「想い」 がこもっていますよね。「モノ作り」 って楽しいんだなあ、と改めて理解することができました。

欧米の方と話していると、「別荘エリアに土地を買ったので、週末はそこに行き、コツコツと家を作っているんだ。小さなな家だけどね、だいぶ形ができてきたところだよ」 なんて方にちょくちょくお目にかかります。

これまでは、「家とは、大工さんが作ってくれるもの」 と思っていましたから、「え~、家を自分で作るの? そりゃ、ご苦労さんなことだねえ」 と言っていましたが、もしかすると、自分で自分の家を作るというのは、最高に楽しい道楽なのかもしれません。

小さな紙工作でしたが、実際にやってみて、そんなことを感じました。

アルマーニ哲学の象徴、ネイビーのTシャツ

アルマーニの言葉
一位の木 (F)  : パイロット
海松藍     : セーラー

GOETHE (ゲーテ) 2015年5月号
< 同じものを愛し続けること - GIORGIO ARMANI >

ジョルジオ・アルマーニ本人がいつも着ているネイビーのTシャツ。そこには男の服装に対する氏の普遍的な哲学が込められている。

「私がネイビーのTシャツを着るのは、無駄を削ぎ落とした清潔感があり、外見に制限されることなく自分自身を表現できるから。合理的で目立つことを望まない私の個性にも合致した、私にとって永遠のアイテムなのです」

自己を確立した男に、華美な装飾は不要。信頼の置けるシンプルで上質な服があればいい。チャーミングな男とは、そんな自分を引き立てる永遠の定番を見つけた男なのだ。

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ジョルジョ・アルマーニというと、こんなかんじでネイビーのTシャツを着ているイメージが頭に残っています。
アルマーニ ネイビーのTシャツ

この写真が何歳の頃に撮られたものか知りませんが (アルマーニは現在80歳)、元がイタリア男ということもあるでしょうけれど、ニクいほどカッコいいですね (*ちなみに私、そちらの気は全然ありません)。

こちらはジーンズ姿 ↓
アルマーニ ジーンズ姿

これほどジーンズが似合う爺さんって、日本では見たことないです。やっぱりスゴいと思います。

そのアルマーニが残した上述の言葉。なんだか、禅宗の僧侶が、達観して述べられる言葉に通じるものを感じます。

美というものを追い求めていくと、結局、一番シンプルなところに行き着くのでしょうね。

しかし、着るものがシンプルになればなるほど、ゴマカシが効かなくなります。アルマーニがお爺さんになってもネイビーのTシャツとジーンズが似合うのは、それだけ肉体のみならず、人間のとしての中身を鍛えてきたからでしょう。

今回、このアルマーニの言葉に出会って、自分も良い目標を持てるようになりました。

「ネイビーのTシャツと洗いざらしのジーンズが似合う爺さんになる」

これからの人生で、どこまでこの目標に近づけるのか。 イタリア男に外見じゃ勝てないけれど、中身の成長で勝負 !

老後が楽しみになってきました。

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モンブラン に ジェットストリーム替芯 を入れてみる

モンブランのスターウォーカー、ファインライナー 、レジンを使っていますが、「あまり好きになれない」 というお話を以前いたしました。

現在は、このペンに、ローラーボール芯 (水性ボールペン)を入れて使っています。ふと、「これに油性のジェットストリームの芯を入れて使ってみたらどうなるだろうか」 と思いました。

芯のサイズを比較すると次のとおり。
モンブラン ジェットストリーム01
だいたい同じサイズなんですよね。「これはイケるんじゃないか」 と思いました。

ちなみに、我が家で買い置きしているのは 「ジェットストリーム ラバーボディ  メタリックオレンジ」 。
モンブラン ジェットストリーム02
これ、少し高いんですけれど、オレンジ色がきれいで、スタイルもカッコ良く、ラバーグリップが持ちやすくてオススメです。

このペンに標準で入っている芯は0.7mmの 「SXR-7」 ですが、私は太軸が好きなので、1.0mm幅の 「 SXR-10」 に替えています。

さて、私は次の方法で 「モンブラン、スターウォーカー、ファインライナー」 にこのジェットストリーム芯を入れて使ってみました。

ただし、これで事故を起こすと、モンブランの保証対象外になりますから、真似される方は自己責任でお願いします。

1) まず、ジェットストリームのバネを取り出し、モンブランの軸の尻側に入れます。(*愛娘に登場してもらいました)
モンブラン ジェットストリーム03

2) 次のSXR-10の替芯を入れます。
モンブラン ジェットストリーム04

3) あとは閉めるだけ。
モンブラン ジェットストリーム05

モンブラン ジェットストリーム06

これで完了です。

モンブランでジェットストリームの書き味を楽しめます。

モンブラン純正のペン先に比べ、ほんの少しだけ飛び出る形になりますが、書くときの視界が広がるので、私はこの方が好きです。
モンブラン ジェットストリーム07

赤色、1.0mm幅のジェットストリームで書いてみました。
モンブラン ジェットストリーム08

モンブラン純正の替芯はコストが高いということはさておき、ジェットストリーム替芯を使うメリットは;

・ いろいろな字幅を試すことができる  (ジェットストリームは、0.38mm、0.5mm、0.7mm、1.0mmの4種類あります)
・ 気軽にカラーの違いを楽しめる (ジェットストリームは、赤、黒、青の3種類) 
・ 裏写りしにくい油性インクの特性を活かせる

という点にあると言えるでしょう。

今後は気分しだいで、モンブラン純正芯を入れたり、様々なジェットストリーム芯を入れたりして、楽しんでいこうと思っています。 

パワーフレーズ ― そうだよね、わかるよ

パワーフレーズ そうだよね、わかるよ
モンブラン149 (極太字)
ペリカン - ロイヤルブルー

斎藤一人 : 変な人の書いたツイてる話 パート2

「そうだよね、わかるよ」 と、まずこれを言うんです。そこではじめて
「こいつは俺の仲間なんだ」
と思ってくれる。すると、人の心はふぁっと開くのです。

====================
先日、人もいなくなった夜のオフィスで、後輩が 「すみません、ちょっと」 と私に声をかけてきました。

彼とは昔からよく知った仲ですが、今は別の部署で働いています。

別室に入って聞いたところ、仕事で極めて困難な状況になっており、彼は精神的に行き詰っていました。上司を含め、関係者にも相談したそうですが、「がんばれ」 とか、「おまえは考えすぎだ」 とか、「なんとかなるさ」 とか、ツレない返事ばかりだったようです。

彼に言われて、自分もかつて同じ経験をしたことを思い出し、続いて 「あっ、これは 『江夏の21球』 の時の、江夏の気持ちなんだ」 ということを皮膚感覚で理解できました。

一言で表すなら、「とてつもない孤独感」 なんですよね。

1979年の日本シリーズ最終戦、9回裏、無死満塁の局面で、江夏の場合、衣笠がマウンドにかけより、衣笠の 「なんかおまえにもし(ものことが)あったら、オレも同じようにユニフォーム脱いでやるよ」 という言葉を聞いて江夏は救われ、それが 「江夏の21球」 の奇跡を有む原動力となりました。

後輩が孤独に陥っているこの局面、「俺は衣笠の役割を果たさねばならない」 と思いました。

どんな言葉をかけるべきか。

その時、思い浮かんだのは、斎藤一人さんが本に書かれた 「そうだよね、わかるよ」 でした。

実は、斎藤さんの「そうだよね、わかるよ」は、相手を慰める言葉ではなく、意見の違う相手を説得する際、自分の気持ちはどうであれ、まずは相手に対して 「そうだよね、わかるよ」 という言葉からスタートしなさい、という教えです。

たしかに、交渉術として、「そうだよね、わかるよ」 からスタートするのは絶大な効果があり、私もよく利用しています。

しかし私は、人が悩んでいるとき、最初にかけるべき声も 「そうだよね、わかるよ」 が、最も効果があると思うのです。まさに、魔法の言葉だと思います。

孤独で行き場のない気持ちの人に対して、「そうだよね、わかるよ」 とまず語り、続いて、どうやったらこの局面を乗り切れるかを一緒に考えること。たとえ結論は見えなくても、親身になって一緒に考えてあげることが大切だと思うのです。

そして最後に、衣笠が語った (と江夏が思っている)、「ユニフォームを脱いでやるよ」 という言葉を思い出して、「困ったことがあったら、真夜中でもかまわない、いつでも連絡くれよ。自分ができることは何もないかもしれないけれど、何かの力にはなれるかもしれないから」 と伝えました。

最後は彼も笑顔になってくれました。

「今日は美しい仕事ができたなあ」 と、すがすがしい気持ちになって、夜のオフィスを後にしました。

神の湯が映画”サクラサク”に登場しました

先日のエミレーツのフライトで、「サクラサク」 という映画を観ました。これは、認知症になりはじめたお爺さん(藤 竜也)の故郷に向かって家族が旅をする、というお話です。
毒沢鉱泉 神の湯2

映画のストーリーはともかく、私が一番印象に残ったのは、主演の緒方直人とその息子役である矢野聖人が、「毒沢鉱泉 神の湯」 という温泉宿で浴湯するシーンでした。

こちらの宿は、長野県の下諏訪の街から少し山に入ったところに位置します。
神の湯4

神の湯は、私がこれまで行った全国の温泉の中でも、とりわけて好きな湯なので、映画で見れて嬉しかったです。

「温泉」と言いますと、一般に熱い湯をイメージしますが、実は 「冷たい湯=冷泉」 というものがあります。源泉の冷泉だけですと身体が冷えてしまいますので、冷泉の場合は必ず熱い沸かし湯が併設されています。

冷泉と沸かし湯を交互に入る入浴法、私はこのスタイルが一番好きです。冷泉で冷えた身体が沸かし湯に入って生き返る感覚、そして沸かし湯で火照った身体が冷泉に入って引き締まる感覚、これが楽しい。

神の湯は冷泉でして、この冷泉は温泉成分こそ多い方ではありませんが (このため温泉法上の分類では”温泉”ではなくて”鉱泉”となります)、「神の湯」の名のとおり、湯に霊験あらたかな気品が感じられ、「心身のリハビリに効く!」 ということを実感できます。

オレンジ色に染まったこの湯は、飲泉もできまして、レモン水のような独特の味があり、私は美味しく感じます。下の写真の左側奥の小さな浴槽が冷泉、右側が沸かし湯です。
毒沢鉱泉 神の湯3

宿は秘湯というかんじですので、豪華な設備というわけにはいきませんが、その分、お値段もお手ごろです。館内は清掃が行き届いており快適です。食事もお値段を考えると内容は大変充実しており、心のこもった料理を堪能できます。

さて、サクラサクの入浴シーンを見ていて、私はひとつだけ残念なことがありました。やむをえなかったのかもしれませんが、親子二人は、沸かし湯だけに入っており、冷泉槽に入るシーンは無かったんです。

神の湯に来たら、冷泉槽に入らないと行く意味が無いです。緒方直人が「お~冷たい!」 とか叫びながら冷泉に入るところを見たかったなあ、と思います。

毒沢鉱泉 神の湯は、日帰り入浴も受け付けています。この湯を楽しむには宿泊するのが一番ですが、時間が無ければ、諏訪に訪問された折、この冷泉にトライしてみるのも一興かもしれません。

岡本太郎 - 本職を「人間」とした人

岡本太郎 人間が本職
シェーファー : プレリュード (M)
シェーファー : ターコイズ

岡本太郎 : 歓喜

私にとっては衝動を実現するということが問題なのであって、結果はじつは知ったことじゃない。美しかろうが美しくなかろうが、うまかろうがまずかろうが、ひとがそう判断しようがしまいが、構わない。芸術ってのは画面じゃなくて、つまりそういうエモーションの問題だけだと思うからだ。
人のために美しいものを描くというよりも、生命のしるしを、自分に確かめる。あたかも重畳(ちょうじょう)とした山嶺をいくつもいくつも自分の足下から全身に確かめ、ぶつけながら、走破してゆく気持ちと同じだ。
(「衝動から実現まで ― 私の創作過程」より)

==================

岡本太郎は芸術家、さらに言うならば画家と見られていますが、彼自身はそう考えていませんでした。「歓喜」という本に次の記述があります。

++++++++++++++++++++
ある人が言った。
「あなたは絵描きさんでありながら、さかんに文章も書くし、いったいどっちが本職ですか。」
「本職? そんなのありませんよ。バカバカしい。もしどうしても本職って言うんなら、『人間』ですね。
++++++++++++++++++++

「”人間”が本職」って、人を喰ったような言葉ですよね。当時の世間は、こうした岡本の表面の姿だけをみて、笑いの対象にしているようなところがありました。

私も子供の頃は何も知れなかったので、岡本のことは「変なオジサン」くらいにしか思わなかったのです。しかし今、彼の残した言葉を読んでみると、「”人間”が本職」という言葉は、岡本が本気で発していた言葉であり、それを実践していた人であったことがよくわかります。

”人間”を本職とし、”人間”を表現しようとし続けた人。岡本太郎という人を語るとすれば、そこに行き着くのではないでしょうか。

「歓喜」には次の記述もあります。

++++++++++++++++++++
私は思うのだが、人間のほんとうに生きている生命観が、物として、対象になって、目の前にあらわれてくれば、それは決して、ほほえましいものなどであるはずがない。むしろ、”いやな感じ”に違いない。きれない風景だとか、美女のムードのような、すかしたものではない。
++++++++++++++++++++

もし岡本本人が、自分の作り上げてきた作品の数々を流れるものは何かと聞かれたら、上述の言葉になったでしょう。この言葉を念頭に置いたうえで岡本作品を鑑賞すると、見えてくるものがあると思うのです。

岡本太郎は個人に絵を売らなかった、と言われています。ではどうやって生計をたてていたかというと、文筆や公演活動、そして公共施設における芸術作品の製作においてです。

彼はなぜ絵を売らなかったのでしょうか?

― 自分の描いた作品は「生命」そのもの。全ての生命は尊いものであるが故、その生命に値段なんて付けようがない。別な形で言うならば、自分の造り上げた「生命」に値段なんて付けてほしくない ―

彼の本心をそこにあったのではないかと私は思います。

逆に言うならば、生涯、絵を売ることを拒否したという彼の生き様が、「”人間”が本職」であったことの証ではないでしょうか。

岡本太郎は、生前、所蔵作品を美術館に寄贈します。
岡本太郎美術館

― 自分の描き続けてきた「生命」を皆に感じて欲しい、分かち合って欲しい、「生命」は皆のものなのだから ―

そんな気持ちで、寄贈されたのでしょう。

生涯を通じて「人間」を貫いた岡本太郎。日本が世界に誇る、偉大な芸術家でした。その業績は世界レベルでもっと高く評価されてしかるべきだと思います。

エミレーツ航空のアメニティポーチはブルガリ

先日の出張では、初めてエミレーツに乗ってみました。乗り換えだけでしたがドバイで降りましたので、生まれて初めてアラブの地に足を踏み入れることができました。

さて、ビジネスクラスでもらえるアメニティポーチを見てみたらブルガリなんですよね。 「こいつはラッキー! 嫁さんのお土産に使えるぞ」 と思って、女性用もゲットしてきました。

エミレーツ アメニティポーチ 1

上が男性用、下が女性用です。女性用は写真の白色バージョンと別に、茶色バージョンがあります。

まず、女性用から見てみましょう。

この金具のところに 「BVULGARI」 のマークがあります。
エミレーツ アメニティポーチ 2

ポーチの中をのぞくとこんなかんじです。
エミレーツ アメニティポーチ 10

下の写真はポーチを広げたところです。チャック付きポケットがあって使いやすそうです。ちなみに、このポーチはマグネットで綴じるようになっています。
エミレーツ アメニティ 9

中身を出してみました。
エミレーツ アメニティポーチ 11

01)エマルジョン
02)クリーム
03)香水
04)おしぼり
05)ティシュ
06)櫛
07)手鏡
08)歯ブラシ
09)歯磨き粉

このうち、01) ~ 04) がブルガリ製です。これをアップで撮ってみました。
エミレーツ アメニティポーチ 12

上の一番右のものが、なんと 「ブルガリの使い捨ておしぼり」 なんですけど、嫁さんも「ブルガリか」と思うと、なかなか封を開けられないでしょうね。

今度は男性用を見てみます。

ここに小さいけれど 「BVULGARI」 のマークが。よほど注意しないと見えませんね。
エミレーツ アメニティポーチ 3

チャックを開けると、中身はこんなふうに見えます。
エミレーツ アメニティポーチ 4

中身はこれだけあります。
エミレーツ アメニティポーチ 5

01)アフターシェーブ・ローション
02)香水
03)ローション
04)ティシュ
05)シェーバー
06)シェービングフォーム
07)櫛
08)歯ブラシ
09)歯磨きペースト
10)アイスジェルローション

これまでいろいろな航空会社を使ってきましたが、シェービングフォームまでもらったのは初めてです。この男性用アメニティポーチは、かなり重量感あります。

上記の1) ~3)がブルガリ製です。これらは箱に入っています。
エミレーツ アメニティポーチ 7

オークションで、中身が入ったまま、箱を出品したら売れそうですね。

変わっているなあ、と思うのは、10) のアイスジェルローション。写真でいいますと、歯磨きペーストの右横にあるやつです。私はこんな商品を使ったことありませんでしたが、アラブの男性には人気のあるものなのでしょう。

エミレーツの乗った感想ですけれど、スチュワーデスの皆さんは、外資系エアラインにしては皆さんよく働くなあ、と思いました。そんなわけで、日系エアラインには及びませんが、サービスはなかなか立派だと思いました。

アラブの航空会社にもかかわらず、酒類の品揃えは充分満足のいくものでした。ウィスキーでいいますと、シーバスは18年物、グレンフィデックは15年物がありました。

しかし、機内免税品販売では酒類は無し。このあたりはアラブのお国柄を反映しているのかもしれません。

食事は自分の好みではありませんでした。食事の前に出るナッツと、食後のチーズが大変よかったので、これを肴に酒を飲んで楽しみました。

機内で観れる映画は、日本語のものが沢山あり、映画好きの方は楽しめると思います。

最後に、ドバイの空港のエミレーツ・ラウンジで、ボケっとテレビを見ていたら、コマーシャルで車のフォード社の宣伝がありました。(下の写真はそのイメージ)
UAEの車の宣伝

アラブの民族衣装を着た家族が、四駆の車に乗って砂漠を走るシーンが映っていました。コマーシャルを見ながら、「ああ、ここはアラブなんだなあ。俺もついにアラブまで来たんだ」 と実感し、感慨深いものがありました。

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シグノ太字は万年筆のような書き心地を楽しめる

シグノ太字

「ユニボール シグノ」というボールペンをご存知でしょうか? 私は今回、初めて使ってみて、驚きました。なんだか万年筆の筆記感に似ているんですよね。

万年筆で書く楽しみのひとつに、書いた瞬間、インクが紙面に盛り上がることが挙げられます(特に太字や極太字のペン先の場合)。そのインクの盛り上がりはすぐに紙面に吸い取られて消えてしまうのですが、消える前にキラッとインクが光るんですよね。この光が美しくて私は好きです。

ボールペンの場合、「インクが紙面に盛り上がる」なんて状態はこれまで見たことはありませんでした。

ところが、私の使った 「ユニボール シグノ太字 (1.0mm)」 というペンは、ボールペンでありながら、紙面にインクが盛り上がるのです。 「シグノGP」 という製品の0.7mm幅も試してみましたが、これよりも「シグノ太字」の方が、より万年筆の感覚に近いです。

このようにシグノのインクが盛り上がるのは顔料(*インクには、染料インクと顔料インクがあり、染料は水溶性であるのに対して、顔料は細かい粒子が水に分散しています)を使っていることと、紙面に吸収されにくいゲルインクであることが最大の理由です。

三菱鉛筆のHPを見ますと、「シグノ太字」の特徴として、次の三点があげられています。

1.ゲルインクであるため、書き味がなめらかであること
2.顔料インクを使用しているため、耐水性と対光性に優れること
3.紙面にインクがにじみにくく、線がキレイに書けること

たしかに、実用面におけるメリットはその三点でしょう。

しかし、アプローチを変えて、「本商品の特徴」のページにトップに、例えば 「まるで万年筆の書き心地。インクが紙面上でキラリと光る!」 なんて見出しでスタートして消費者にPRするアプローチは考えられないでしょうか。

インクが紙面上で光ったところで、消費者には何ら実用面のメリットはありません。ただ、実用とは何の関係もない、遊びの部分でPRした方が消費者の心を揺さぶることができるのではないかと思うのです。

「損か得か」。我々は毎日そんな価値観で振り回されていますよね。だからこそ、売る側は損得とは全然別の、キラリと光る価値観を見い出し、それを消費者にうったえてゆくことが期待される時代になってきているような気がします。
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